モノや文化、人などを新たに生みだす人。
既に価値あるものに磨きをかける人。
伝統を守り優れたモノを創り続ける人など、福井の「つくりびと」の声をご紹介していきます。
提供:福井の地酒 九頭龍
第8回のつくりびとは
福井市文京にある創業40年という寿司店「鮨十兵衛」 二代目 塚田哲也さんです。
2年前に全面改装した店内は、とてもシンプルで落ち着いた趣です。
ヒノキの一枚板でこしらえた長く美しいカウンターの向こう側には、厳選されたネタ、それをさばく包丁と大きなまな板、シャリが入ったおひつ、そして神棚が見えるだけで、普通寿司屋にはつきものの、メニューが書かれ壁に掛かる木の板も、冷蔵庫も、酒瓶も、招き猫の置物も、ナイター中継が映るテレビも何一つないんです。余分なものは一切排除した店内。
カウンター越しに33歳の若き職人と舌の肥えた客の寿司一本・真剣勝負が繰り広げられます。
今週のつくりびと塚田哲也さんはお父さんの背中に憧れ、物心をついたころから将来寿司職人になると決めていました。高校を卒業してすぐ札幌の名門寿司店「すし膳」で修業することになります。
夢と希望を胸に抱えた18歳の少年に待っていたのは厳しい厳しい修業の毎日でした。16名の同期は1年後にたった2人になりました。朝早くから深夜まで連日の下働き。厳しさに皆逃げ出します。塚田さんも荷物をまとめて札幌駅まで向かったことがあるそうです。その足を留めたのは送り出してくれた地元の優しい声援だったそうです。
握るだけじゃなくて、握る以上の寿司職人になりたい。
鍋や天ぷらに頼らない、寿司で勝負する寿司屋でありたい。
マグロは寿司の花。福井でもっと本物の旨いマグロを広めたい。
塚田さんの向上心はとどまることを知りません。
「あの修業のことを思ったら何でもできますよ。」16人いた同期が1年後にたった2人になったという札幌での6年間に及ぶ厳しい修業。これを乗り越えたことが塚田さんの強さの源です。
今夜も旨いの声が聞きたくて…塚田さんは多くのお客様を技と心でもてなします。
鮨 十兵衛 福井市文京5丁目17−5 0776-24-3080
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