モノや文化、人などを新たに生みだす人。
既に価値あるものに磨きをかける人。
伝統を守り優れたモノを創り続ける人など、福井の「つくりびと」の声をご紹介していきます。
提供:福井の地酒 九頭龍
第9回のつくりびとは
越前市味真野に竹を素材に様々なものを生みだす工房「竹之助」を立ち上げた片岡大輔さんです。
大中小、三つの竹を組み合わせた
シンプルでスタイリッシュなiPhoneスピーカー「i3boo(アイスリーブー)」が話題になっています。
竹を知り尽くした片岡さんだからこそ生まれたこの画期的なアイディア。その道のりとは。
片岡さんは武生工業高校を卒業後、地元の家具製造会社に就職が決まり、
この会社の薦めで京都の京都伝統工芸大学校に進学し、指物師の修行をすることになりました。
その授業の中で、惚れ込んでしまったのが「竹」の魅力です。
すっかり竹に魅せられた片岡さんは、
就職が決まっている家具会社との約束を破って、専攻を「指物師」から「竹」に勝手に変更してしまいます。
これは、決まっていた未来の進路が大きく変わる瞬間でもありました。
iPhoneスピーカー「i3boo(アイスリーブー)」は、電気を一切使わないスピーカー。
大中小3つの竹の筒を組み合わせただけの、いわば「アンプラグドスピーカー」です。
この3つの竹の筒の位置関係を微妙に変えるだけで、音質が柔らかくなったり、固くなったりします。
という意味では、「イコライザー付きアンプラグドスピーカー」と呼ぶのが相応しいかもしれません。
片岡さんが今注目しているのは、竹とコンクリートの組み合わせです。
「ぬくもりと冷たさ」、「柔らかさと固さ」を組み合わせることに面白さを感じています。
そういえば、iPhoneと竹もデジタルとアナログの組み合わせ。
片岡さんは、竹のようにしなる柔軟な発想で相反(あいはん)する複数の価値を一つの製品に込めていきます。
竹之助 福井県越前市池泉町2-9 URL http://takenosuke.com/