モノや文化、人などを新たに生みだす人。
既に価値あるものに磨きをかける人。
伝統を守り優れたモノを創り続ける人など、福井の「つくりびと」の声をご紹介していきます。
第2回は福井市照手にある有限会社大戸製餡所三代目で専務の高橋芳彰さんです。子供の頃のニックネームは「あんこ」だったそうで、あんこ作りを行う製餡所に生まれ、将来はこの製餡所を継ぐことになると子供の頃から意識していたそうです。
全国に製餡所は大小含めておよそ500か所。でも年々減少傾向にあるそうです。そんな中、設備を更新し、品質を向上させ、webなどを使い積極的に事業を拡張させ、あん業界をけん引しようと頑張っていらっしゃいます。
「こしあん」には、既に砂糖が入り調味されている“加糖あん”と、こしただけの状態で味のついていない“生あん”があります。つぶあんは各和洋菓子店独自に炊き上げる所が多いそうですが、こしあんはコストや手間暇がかかることから、ほとんどの菓子店は大戸製餡所のような「製餡所」から“生あん”を購入して、それを各店で砂糖など加えて調味し、炊き上げて使用しています。大戸製餡所では、高い品質の生あんを福井県内の和洋菓子店に卸しています。誰でも食べたことがある県内の超有名なメーカーのお菓子にも使われていますので、福井に住んでいる方ならほぼ全員、高橋さんの作る「あん」を口にしています。
新商品の開発にも熱心で、昨年はジュレ状になったあん「ジュレあん」を開発。和洋菓子、パンなどの他、揚げ物やサラダ、マリネに合わせても美味しいと評判のようです。現在は、希少糖を使ったあんの開発に力を入れています。糖尿病など血糖値が気になる方にも美味しく安全に甘いものを食べて頂きたいということで、高齢化社会をにらんだ新商品だそうです。
伝統的な和菓子の素材「あんこ」を新しい感性で全国というマーケットに仕掛けるしあん博士、高橋芳彰さん。高品質で付加価値の高いものをこれからも作っていきたいと語ってくれました。
大戸製餡所(越前あんこ屋本舗)ホームページ
http://ooto-seian.com/