モノや文化、人などを新たに生みだす人。
既に価値あるものに磨きをかける人。
伝統を守り優れたモノを創り続ける人など、福井の「つくりびと」の声をご紹介していきます。
今週は若狭めのう職人宗介工房 上西宗一郎さん41歳です。
国指定の伝統工芸品、若狭めのう。貴石、鉱物なんですね。『めのう』は古くから七宝の一つに数えられ、優雅で妖艶な色や模様は昔から多くの人たちを魅了しています。それを根気よく削り、磨き、形にしていくめのう細工はお祝いの置物に、またアクセサリーとして長く愛されてきました。しかし、実は、需要の減少から、小浜のめのう細工の職人さんが激減。現在たった4名しかいません。そう、絶滅寸前なんですね。
上西さんは関西で販売の仕事をしていましたが、それを辞め、地元小浜に帰って来られました。2003年に行われた若狭路博を機にオープンした施設「御食国若狭おばま食文化館」で、観光客向けのモノづくり体験コーナーの作業サポートの仕事を始めます。これが、上西さんと若狭めのうとの出会いです。
天然の石を使って作るめのう細工ですから、同じ形のものでも、その模様は一つ一つ違う、いわば一点ものなんですね。たった4名の職人しかいない、国指定の伝統工芸なので、ベンチャー企業の感覚でマーケットを切り開いていきたいと語ってくれました。