空飛ぶ文庫 – FM福井 76.1MHz JOLU-FM

2017/01/19(木)放送分


こんにちは、飴田彩子です。
今日は福井大学名誉教授で、越前市武生公会堂記念館館長の三好修一郎さんをお迎えしました。
『万葉集』第二弾!前回に引き続き、万葉集の中から福井ゆかりの歌をご紹介いただきました。
今回は中臣朝臣宅守(なかとみのあそみやかもり)と狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ)の間で交わされた相聞歌を取り上げました。

越前市味真野に流刑となった宅守と、奈良の都に残された妻、弟上娘子。
二人の間で交わされた歌は、今で言う、まさにラブレター!


「味真野苑には彼らの歌碑があります。風情のある場所、ぜひ行ってみて」とおっしゃる三好さん。

君が行く道の長手を繰りたたね焼き滅ぼさむ天の火もがも
【通釈】あなたが行く長い道のりを、くるくると手繰り寄せるようにして焼き尽くしてくれる天の火が欲しい。

かしこみと告らずありしをみ越路のたむけにたちて妹が名告りつ
【通釈】名前を呼んでしまうと峠の神が妻に祟るというので今まで誰にも言わないで来たけれども、思わず自分は愛する貴女の名前を口にしてしまったよ。

二人の間で交わされた歌63首が、『万葉集』巻第十五に載っています。
ぜひ他の歌も探してみてください。


今日お送りした曲は、
「♪未来を/吉野ユウヤ」でした。